【04-05中世後期の演劇】ソティ(阿呆劇)の社会風刺
2012-08-19


〈筋立てのあるソティ〉では、阿呆たちは世界外存在として、言葉によって社会を外側から批判するのではなく、劇的世界のなかの存在として世間から批判されるべき非道徳的な振る舞いを自ら舞台上で再現することで、社会を風刺する。このため〈筋立てのあるソティ〉は〈裁判形式のソティ〉に比べると現実社会に対する批判はさらに間接的なものとなり、その攻撃性は弱まっている。〈筋立てのあるソティ〉で提示される風刺は、権力層にある人間にとってより受け入れやすいものになっているのである。

* AUBAILLY (Jean-Claude), Le Theatre medieval profane et comique, Paris, Larousse, 1975.

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[フランス中世演劇史]

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